当科研修制度のご案内

当科研修制度のご案内

当科での研修の特徴

当科では、消化器内科を専攻して頂いた先生も、ご希望に応じて内科専門医を取得するために他科の研修を行って頂くことができます。また、消化器内科で研修をして頂いている間も、他科と連携し、必要な症例と症例数を確保するよう各科で横のつながりを持ちながら病院全体として、専修医の育成に取り組んでいます。救急疾患に関しても、研修医と専修医でローテーションを組みながら救命救急の上級医と共に、初療を担当し、内科医としての必要な救急疾患への対応を学んで頂くとともに、興味ある症例や消化器領域の入院が必要な患者は、担当医とし上級医と共に診断から、治療、退院までのプロセスを学ぶことが出来ます。
なお3年目、4年目、5年目といずれからの研修も可能です。

当科での研修の特徴

臨床研修

消化器内科としては各学年での到達目標は以下の通りです。

  1. 専修医1年目では上部消化管内視鏡検査を午前枠の1-2枠/週で上級医と共に検査を担当します。指導医のもとで、上部消化管内視鏡検査を完遂でき、一般的な上部消化管疾患の鑑別と、必要な症例の生検が行えることを目標としております。また、病理検査の結果の解釈ができ、患者に正確に結果を説明し、その後の治療方針を立案できることを到達目標としております。また、上部消化管内視鏡の習得状況によっては、専修医1年目で下部消化管内視鏡検査も研修できます。
  2. 専修医2年目では、指導医の監督のもと消化器内科の専門外来を半日/週で担当して頂き、消化器内科の紹介患者を含む初診患者の検査・治療などの診療計画を立案します。指導医と立案した診療計画につき議論しながら、外来診療の進め方を学んで頂きます。
    専修医2年目で上部消化管内視鏡検査の習熟が一定のレベルに到達していれば、1-2枠/週の上部消化管内視鏡検査に加え、1枠/週の下部消化管内視鏡検査を研修可能です。
    また、初療を担当した上部消化管出血が疑われる患者の緊急内視鏡や、超音波ガイド下肝および腫瘍生検、経皮経肝胆嚢穿刺吸引術などを術者・介助者として行います。
  3. 専修医3年目では、消化器全般を学ぶことも可能ですが、消化管疾患や肝疾患、胆膵疾患などの分野で専門性の高い指導医につき、専門性の高い診療を学ぶことも可能です。
    具体的には、消化管疾患として、消化管癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術や化学療法、炎症性腸疾患に対する専門的治療、小腸疾患に対する小腸鏡やカプセル内視鏡などの診療を担当できます。
    肝疾患では、肝癌に対する各診療科との合同カンファレンスを通じて立案した治療方針の実践や肝癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)、B型肝炎・C型肝炎ウイルスに対する薬物治療やNAFLD/MAFLDに対する診療を担当できます。
    胆膵疾患では、担当患者のEUSを術者として行い、EUS-FNAやERCPの介助を担当し、上部消化管内視鏡検査や知識の習得状況により、EUS-FNAやERCPの術者を経験する事も可能です。また、経皮経肝胆嚢ドレナージ術/穿刺吸引術、経皮経肝胆道ドレナージ術も術者・介助者として行い、胆膵疾患の化学療法についても担当する事が可能です。
内視鏡手技等の経験

内視鏡手技等の経験

これらは全て、内視鏡治療、肝疾患、胆膵疾患などの指導医のもとで行い、指導医からの定期的なフィードバックも受けることが出来ます。
当院での研修は、消化器内科としての基礎的な診療の知識やベッドサイドでの手技は勿論の事、消化器内科としての専門性の高い診療を研修する事が可能です。

専門研修の概略

専門研修の概略

カンファレンス

月曜日夕方に消化器内科カンファレンス、水曜日夕方に放射線科、外科とのカンファレンスがあります。毎月一度、水曜日の朝に病理を含めた検討を行うキャンサーボードも開かれています。その他、毎月一度、主にEUS下生検を行った胆膵症例のカンファレンスと、肝臓癌の治療方針を主に議論する肝疾患カンファレンスも開かれています。
ほぼすべての消化器の領域で専門的な学習ができるようになっています。

主なカンファレンス

  • 消化器内科カンファレンス(月曜)
  • 外科 放射線科カンファレンス(水曜)
  • キャンサーボード(月1回 水曜)
  • 胆膵疾患カンファレンス(月1回 火曜)
  • 肝疾患カンファレンス(月1回 木曜)
講堂

研究 学位を含めた支援

当症例報告に関しては、少なくとも1年に1回は行っていただくことにしております。最近5年では、研修医または専修医が奨励賞を受賞しており責任をもって丁寧に指導します。
邦文、英文(10年間で7報)を含め症例報告も論文数多く当科から発表し、専修医の症例報告の論文化も積極的に指導しております。専修医による英文誌への掲載の実績もあります。
希望があれば臨床研究に関しては当院の指導医とテーマを決め、研究計画書の作成から倫理審査委員会への提出及び研究を遂行することも出来ます。当科の臨床研究により過去10年間に7報の英文の原著論文または総説を発表しており、いくつかはガイドラインにも引用されています。
学位に関しても、連携施設である慶應義塾大学や杏林大学の大学院への入学の推薦も可能です。

当科の昨年の論文

当科からの最近の英語論文
Katayama T, Endoscopy 55: E256; 2023. Imamura S, Clin J Gastroenterol 15: 1048; 2022.
Kishikawa H, Sci Rep 12: 4202; 2022. Nakadai Y, J Hepatobiliary Pancreat Sci 29; e5;2022.
Nakamura K, Endoscopy 54: E61; 2022.

指導医在籍状況

  • 総合内科専門医・指導医4名
  • 日本消化器病学会 指導医4名
  • 日本消化器内視鏡学会 指導医2名
  • 日本肝臓学会 指導医3名
  • 日本超音波医学会 指導医1名
カプセル内視鏡

Q and A

どれくらいの内視鏡件数を行っているのでしょうか?スタッフは何人でしょうか?

詳細は当科ホームページをご覧ください。

受け持ち患者数は何人くらいでしょうか?

変動しますが、5-10人程度です。単独で診ることはなく指導医と協議して方針を決める形となります。外科と共通の病棟で勤務しており風通しのよい関係を築いており、放射線科も大変よく教えてくれますのでバランスのとれた知識を身に着けることができます。

当直はどれくらいありますか?有給休暇はどうでしょうか?

当直はおおむね月に3回程度です。ただし当直の翌日は昼12時までで勤務は終了です。
止血などのオンコールもありますが、月に5日程度であり指導医の下での処置やその見学などがあります。有給休暇は年間16日までとなっています。

症例報告はどうしてもしなければいけないでしょうか?

少なくとも3回は行っていただきます。これは、いつの時代も臨床医として情報を発信できるかということが、医学の発展に極めて重要であると当科では考えているからです。責任を持って指導いたします。なお図書館も整備されており、自宅から医学中央雑誌、SCOPUSなどを閲覧することもできます。

出身大学は偏っていませんか?

当院が派遣先となっている慶応大学、杏林大学の医師以外に様々な大学(最近10年間で8大学)の出身者がスタッフとして当科を支えてきました。一部の大学の派遣病院と異なり、様々な個性がそれぞれに生き生きと仕事をしており、きっと楽しいと思います。

女性医師はいるでしょうか?

当科は最近10年間、常に女性の常勤医が勤務しており全く問題ありません。

どれくらいの処置ができるようになるでしょうか?簡単に教えてください。

多数の内視鏡ができるということが特徴です。おおむね専修医2年目で上部消化管内視鏡、3年目で大腸内視鏡ができるようになると考えてください。ERCPに関しては3年目でカニュレーションまできちんと行えることは困難ですが、その後スタッフとして残っていただければ医師7年目までには胆膵系もきちんとできるように指導します。

どのような専門医が取得できるでしょうか?

主なものとして、内科専門医、消化器病専門医、肝臓専門医、内視鏡専門医が取得できます。その他に超音波専門医、消化管学会専門医、カプセル内視鏡学会専門医、門脈圧亢進症学会専門医、胆道学会専門医、膵臓学会専門医も取得できます。

学位は勤務しながら取得できるでしょうか?

勤務しながらの学位取得は残念ながら困難です。しかしご要望があれば当院の派遣元である慶応大学、杏林大学あるいはその他のご希望の大学に推薦することができます。昨今の状況から断られることはまずないのではと考えています。

収入が心配です

外勤先を当科で斡旋することも可能です。ただ平日に外勤にいくと経験できる内視鏡などが減るということはあることをご理解ください。

スタッフとして残ることは可能でしょうか?

専修医のみで他の施設にいくよりは6年目以降も、当科としては少なくとも専門医になるまでは責任をもって指導させて頂きたいと考えています。ERCPなどは専修医までの研修では習得が困難です。是非6年目以降も勤務していただければと思います。

  • 東京歯科大学 市川総合病院 消化器内科
  • 外来担当表